妄想バコ

他愛ない話。

彼女は透明な翼を持っていた

けれど飛べないのだと彼女は言った

何もかも透過してしまうらしい

光も 風も 音も 心も

その翼に

彼女は押し潰されそうになっている

何もかも透過してしまうから

この世の全ての重みが

彼女の背中にのしかかる

翼が輪郭を持てば

彼女は翼に護られて

どこまでも飛んでいけるはずなのに


子どもは家族を選べないから

拠点の旗を立てられない。


言葉を持たぬ魂が

何かを伝えようとしている。

耳をすます者はいるか。

目をこらす者はいるか。

どこにも誰もいないことを悟った魂は

再び言葉のない世界に閉じこもる。


まだ、

自分のスタイルというものがないから、

なにか強いものに出会うと、

炎に包まれるように隔絶されて、

自分のありかが熱でとけて

わからなくなる。


かみさまは、

にんげんがつくったものだから、

ねがいをかなえることなんて

できやしないのだ。

もしほんとうにできるなら、

にんげんがとっくにかなえてる。

にんげんにできないことは、

かみさまにはできないのだ。

あかんぼうにもどってあいされることも、

あいするあのひとをいきかえらせることも。


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