
2018年発行の『カミングアウト(砂川秀樹・著)』を拝読した当時は、まだLGBTという言葉がそれほど一般層まで広まっていなかった頃だったと記憶している。
そんな時に出会った本で、本文に線を引き、付箋を貼り、セクシュアルマイノリティとはなんなのかを理解しようとした。
私のようなマジョリティが当たり前だと思ってきたことが、『なぜ当たり前なのか』という、『なぜ』をやさしく教えてくれる、教科書のような本で、ずいぶん救われる思いだった。
なぜ救われる思いだったか……。私はマジョリティ側でありながら、自分の肉体がなぜ女性であるのかわからなかったし、かといって男性でもなく、無性別の存在でありたいと考えていた時期があった。今はだいぶ自分の体を受け入れられるようになったものの、根底には残っている。
この本は、そういった “中途半端な” 感覚を抱いてモヤモヤと過ごしている人をも照らしてくれていた。
だから、この本は生涯大切に持っていたい本だし、砂川先生を(勝手に)恩人だと思っている。
9月に、サントリー男子バレーボールの髙橋塁選手がゲイであることを公表した。
弟は世界でも名が知られる日本代表のエースの髙橋藍選手で、兄弟揃って人気選手である。
公表には葛藤もあったと聞く。それでも心を決めて公表した塁選手に、砂川先生が寄り添っておられるのをXで見ると、やさしい気持ちになる。
私はセクシュアルマイノリティと言われる世界を “本当の意味で理解” できてはいないし、今後もきっとできないけれど、砂川先生のご著書に出会ったおかげで想像してみることはできるようになった。
彼らも私も、身近な隣人だ