ISSYA

5.ヤジタは午後の授業が始まる前に、スイに早速メールを送った。

ヤジタは午後の授業が始まる前に、スイに早速メールを送った。

〈ヤジタです。マキノから連絡先聞きました。昨日はごめん。直接謝りたいから、あとで電話する〉

授業中、スイの反応が気になって仕方なかった。授業が終わり、休み時間に確認してみたが、返信はなかった。
放課後、部活へ行くため荷物をまとめていると、教室に残っていた男子たちの騒ぐ声が聞こえてきた。

「今日、スイ来なかったな」
「なんだよ、お前、寂しいの?」
「違ぇよ。おかげで授業に集中できて、今日はいい日だったって言ってんの」
「あ〜、そうだよな。スイがいると授業の妨げになる」
ぎゃはは、と醜い笑い声が響く。
勝手なこと言いやがって。ヤジタが彼らの方を向くと、その近くで仏頂面をして立っているマキノが目に入った。いつも「やめなさいよ」と庇うマキノが今日は何も言わず、唇を噛んでいるだけだった。
ヤジタの足が、自然に彼らの方へ向いた。
躊躇いはなかった。
「なぁ、もう、そういうのやめねぇか?」
男子たちは、驚いた様子でヤジタを見た。

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