ISSYA

2.昼休み。マキノがオレンジジュースを飲みながらヤジタの席まで来た。

昼休み。マキノがオレンジジュースを飲みながらヤジタの席まで来た。
「ヤジタ、スイのこと、ありがとね」
「あぁ、たまたまだよ」
ヤジタがマキノの方を向く。その視線の先に、マキノが何かを見せてきた。ピンク色のパッケージがかわいらしい、いちごミルク。
「何、これ」
「スイから。ヤジタにお礼だってさ」
「なんでいちごミルク?」
「あの子のイチオシなの。おいしいんだって」
「だからって、なんでこれなの? なんか、すげぇ恥ずかしい」
受け取りながら、思わず笑いが漏れる。
「じゃ、そんなわけだから」
マキノが自分の席へ引き返すのを、ヤジタは慌てて引き止めた。
「あ、マキノ、ちょい待ち! ちょっと、ここに居てくんない? これ、ひとりで飲むの恥ずかしい」
「へ? 別に男がいちごミルク飲んだっていいじゃん」
マキノは呆れた様子を見せたが、何を思ったか突然吹き出した。

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