最近、調子はどう?
あまり具合が良くないみたいだけど。
寂しいからといって、周りの人たちを責めてはだめだ。
周りは、きみが望むようには動いてはくれないよ。
それは、きみが嫌われているからではなくて、
みんな自分のことで忙しいからだよ。
きみの人生は、悲しいことばかりではないはずだ。
楽しいことだって、たくさんあるはずだ。
悲しみが強すぎて、それがかすれてしまっているだけだ。
だけど、はっきりと目に見える形で証拠を出さないと、
きみは納得しないよね。
こうしてみたらどうだろう。
悲しいことがあったら、左腕をナイフで切るんだ。
悲しみが深ければ深いほど、傷も深くなるんだ。
楽しいことがあったら、右腕をナイフで切るんだ。
喜びが大きければ大きいほど、
傷も深くなるんだ。
どちらかの腕が傷ひとつないきれいなままなんて、
きっとありえない。
悲しみばかりじゃないってことが、理解できると思うよ。
Good Luck.
齊藤木 一紗より
親愛なるあなたへ
お手紙ありがとう。とても嬉しいです。
あなたのアドバイス通り、ナイフで印をつけてみました。
この一週間で、私は理解しました。
どんなにささいな苦しみも、
どんなにささいな喜びも、
すべて印をつけていきました。
あなたのおかげで立ち直れそうです。
右腕は見る影もなくなってしまいましたが、
私は今、幸せを感じています。
生きていることに感謝せずにはいられません。
もちろん、あなたにも。
ありがとう。
齊藤木 一紗より