ケース0:ツギハギの少女A

全身がツギハギの少女がいた。皮膚ではなく、身体そのものがツギハギなのである。指のサイズは一本一本関節ごとにばらばらで、男性のものもあれば女性のものもある。皮膚の色も様々で、少女をカラフルに彩っている。少女曰く、「世界中の人と繋がりたい」のだという。

少女は幼くして両親を亡くし、預けられた施設でもいじめや虐待を受けていたそうだが、その寂しさが今のこの衝動に繋がっているのだろう。

世界中の人と繋がりたい。

今の時代、ソーシャル・ネットワーキング・サービスが氾濫し、確かに「世界中の人と繋がること」は容易になった。が、少女はそれでは満足しない。

「どんな言葉や映像も電波にのせることができるけれど、心や温もりは、その人の魅力や真の美しさは、電波にのせることができないのよ。わたしが欲しいのは何か、わかるでしょ?」

外見だけでなく、内臓も一部ツギハギだそうだが、少女は障害もなく、ごく普通に暮らしているようだ。現代の医学はここまで進歩しているのか……。

世界中の人間の身体をどのように集めているかは、あえて聞かなかったが、別れ際、少女が「あなたって、想像力豊かで羨ましいわ。頭の中、どうなっているのかしら」と言って以来、一度も連絡を取っていない。

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