ISSYA

赤は、情熱の色、血の色、罪の色

あいつの体調が良くなり、また彼女が僕の血を求める。僕の唯一の幸福。だけど、彼女がまたあいつのもとへ行くことは、僕にとっては不幸だ。あいつさえいなければ、と願う。あいつがいなくなったら、彼女は僕の血を求めるだろうか。わからない。

彼女が、僕の血を抜いた。今日の血は、いつにも増して、色が濃かったように思う。

その分、僕は深く深く、幸福に浸った。

翌日、あいつが倒れ、そのまま帰らぬ人となった。彼女は「こんなはずじゃなかったのに」と取り乱し、毎日泣いた。それ以降、彼女が僕の血を求めることはなかった。

ある日、彼女は身体中の毛と爪を赤く染め、全身赤い服で、泣きはらして真っ赤な目を開けて死んでいた。

赤は情熱の色だと彼女は言った。それを証明するかのように、あいつの墓の上で死んでいた。僕の、情熱的な赤い血は、身内を殺し、彼女を不幸にした。

赤は情熱の色だと彼女は言った。けれど、僕にとっては罪の色。

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