ISSYA

赤は、情熱の色、血の色、罪の色

数日経った頃、兄が突然倒れた。起き上がることすら困難な状況で、彼女は献身的に兄の面倒を見ていた。その間、彼女は忘れていたのか、僕の血は抜かれないまま日々は過ぎた。腕の注射針の跡が黄色くなるまでほったらかされた僕は、兄への嫉妬で満ちていた。

やがて、兄の体調が良くなり、彼女の看病がなくとも動けるようになってきた頃、彼女が僕の血を求めた。

誰にも知られない、秘密の営みが再開される。彼女を独占できる、唯一の時間。僕は、束の間の優越感に浸る。情熱の、赤い液体に、浸る。

またしばらくして、兄が体調を崩し、倒れた。彼女があいつの看病をする。幸せそうに。行き場のなくなった僕の血は、ぐるぐると身体中を駆け回る。嫉妬の炎で煮えたぎる僕の血は、あいつへの妬みが凝縮されてドロドロになっているだろう。

ここで、僕は気づいてしまった。生まれてから特に病気もせず、健康体で生きてきたあいつが、この短期間で二度も倒れたのだ。

あいつが倒れ、彼女が看病する。その間、僕の血は抜かれなくなり、あいつの体調が良くなった途端に、彼女は僕の血を求める。そして、またあいつが倒れ、彼女が看病し、僕の血は抜かれなくなった。

僕の血と、あいつの体調が、何か関係しているのは明らかだった。そういえば、彼女はおまじないが好きだったような気もする。あいつの看病をする彼女は、実に幸せそうだ。僕には見せたことのない表情で。

あいつの体は僕の血でできている。直感で、そう感じた。

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