6.スイの通夜には、クラス全員が参加した。

スイの通夜には、クラス全員が参加した。泣いているのはマキノだけで、他の生徒たちはみんな、唇を固く結んで俯いている。 ヤジタも、涙は出なかった。みんな、泣く資格などない——。 そこに、マキノが来た。 「スイのこと好きだったContinue reading “6.スイの通夜には、クラス全員が参加した。”

5.ヤジタは午後の授業が始まる前に、スイに早速メールを送った。

ヤジタは午後の授業が始まる前に、スイに早速メールを送った。 〈ヤジタです。マキノから連絡先聞きました。昨日はごめん。直接謝りたいから、あとで電話する〉 授業中、スイの反応が気になって仕方なかった。授業が終わり、休み時間にContinue reading “5.ヤジタは午後の授業が始まる前に、スイに早速メールを送った。”

4.翌日、ヤジタは部活の朝練で、みんなどこかよそよそしい態度なのが気になった。

翌日、ヤジタは部活の朝練で、みんなどこかよそよそしい態度なのが気になった。気のせいかと思ったが、教室に入ると、何人かはヤジタをちらちらと見てはクスクスと笑う。いよいよ気のせいではない。そのうち男子の一人がヤジタの席へ歩いContinue reading “4.翌日、ヤジタは部活の朝練で、みんなどこかよそよそしい態度なのが気になった。”

3.ある日、ヤジタは男子に囲まれて漫画やテレビ番組の話題に興じていたが、

ある日、ヤジタは男子に囲まれて漫画やテレビ番組の話題に興じていたが、そのうち「便所行く」と言って廊下に出た。 その瞬間、背後から大きな声が聞こえた。 「ヤジタくん!」 ヤジタは体をこわばらせた。振り返ると、スイが歩いて来Continue reading “3.ある日、ヤジタは男子に囲まれて漫画やテレビ番組の話題に興じていたが、”

2.昼休み。マキノがオレンジジュースを飲みながらヤジタの席まで来た。

昼休み。マキノがオレンジジュースを飲みながらヤジタの席まで来た。 「ヤジタ、スイのこと、ありがとね」 「あぁ、たまたまだよ」 ヤジタがマキノの方を向く。その視線の先に、マキノが何かを見せてきた。ピンク色のパッケージがかわContinue reading “2.昼休み。マキノがオレンジジュースを飲みながらヤジタの席まで来た。”

1.十七歳のヤジタは、クラスメートのスイに恋していた。

十七歳のヤジタは、クラスメートのスイに恋していた。スイは背が小さく、地味で大人しいのだが、学年中の男子を夢中にさせる魅力を放っていて、高嶺の花と崇められている。 だが。 「二組のあいつ、ウチのクラスのスイが好きらしいぜ」Continue reading “1.十七歳のヤジタは、クラスメートのスイに恋していた。”